人材育成メンバー夏合宿 @ 書彩 2日目
今年度の楽書®展のテーマ、3団体同じテーマで書き上げる約150人の「はな・花・華」にちなみ「花さき山」の絵本を、梨世先生がゆっくり読み聞かせた後、ひとりひとりが絵本「花さき山」を心と頭の中で咀嚼し、古典・古代文字の中から選んだ文字を書き始めます。臨書さながら、その文字が書かれた背景と自分自身の思考と感情を照らし合わせながら、一本の線に神経を集中して書き上げる。自分が咲かせる花はどんな花だろう?白い半紙に黒い墨だけの世界に咲かせる、自分だけの想い。何枚も何枚も、自分自身の書と向き合う時間です。
書くだけではなく、見て感じたことを話す事により、更に自分自身が書くものに対して向き合う事ができます。今回の様に、テーマを決めて書いたものは、なぜそれをそう書いたかの思考や感情をアウトプットする事、そして、第3者からの意見をインプットする事で、次なる創作に活かす事へとつながってゆきます。
もちろん、指導者からの技術的なアドバイスも的確にその場で受けられます。創作と言えど、すべてを自由に書いていい訳ではなく、全てにおいて自由に赴くままに書くのは、書道ではなく筆文字であり、筆法・筆順・形筆、基本的な事は踏まえつつ、いかに破り崩していくか。崩しすぎてしまうと、筆文字になってしまいます。楽書においてそこが一番難しいところでもあります。
「文字の形、向きはそのまま。傾けたり長くしたりはあっても、バランスを崩して倒れてしまうような事はしないほうがいい。ちょっと足を上げるくらいはいいけど、上げすぎたり、踏ん張る足を折ったら文字自体が倒れて字ではなくなる。」( 梨世先生 )
楽書®ビギナーコースの課題、「金文」の臨書。自宅で書き上げてきた宿題の「金文」を並べて、ここでも対話による鑑賞会を行ないました。王羲之の書とはまた趣の違う金文だが、臨書には違いはありません。紙のない時代の文字を復元する為に、どこから筆が入り、次にどこへ筆を運ぶのか、そして全体の形、バランスなどがひとつひとつをじっくり眺めると良くわかります。
1日目にじっくり時間をかけ、全書の王羲之の臨書。法帖を見ながら細かいところまで鑑賞しアドバイスを受けます。無限未来が大切にしている古典臨書。その中でも「俯仰法」という筆法を徹底的に体で覚え、草書体、行書体、楷書体に関しては単鉤法と側筆を使って筆運びを練習します。筆法には様々な種類がありますが、運筆法を含む用筆法を重視しています。筆をおろして書き始め、再び筆を紙から離すまでに出来る線や点を点画というが、その点画を書く時の筆の使い方や運び方をいい、そして用筆・運筆法の基本の基には「起筆・送筆・収筆」があります。
様々なワークショップやアーティスト活動をする中で、即興でリクエストに応えた文字を書く事も多々あるという事で、扇子に涼しい文字を書き合いました。書には遊び心も大切(!)
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